クローバーフィールド/HAKAISHA

これは予想以上に面白かった。後味はメチャクチャ悪いんだけど、それだけ引き込まれていたということでもあり、ビデオカメラ撮影風演出の勝利ということでもあるんでしょうな。しかし、最後のあたりの絶望感は凄まじかった。「なんかもうムチャクチャでよくわかんないうちに僕たちは死んでしまうのか、なんなんだこの理不尽は。ああ、畜生」みたいな。まさに悪い夢のような事態。

だからまぁ、怪獣映画というよりかは終末物の趣が強かった気がしますね。怪獣に勝利するわけでもなければ、怪獣同士の戦いがあるわけでもないし、そこにあるのは圧倒的な理不尽に否応なく振り回されてしまう一市民の姿のみ。個人的にはそういうの大好物なんで、美味しくいただけました。当然、リアリティーという面では無理ありまくりなんで、「怪獣映画も視点を変えればこうなる」くらいに思って観るのが1番良いかもしれませんな。

映像的には、予告編を観たときには「いまいちショボイかな?」と思ったものの、本編は臨場感と迫力があって見応えありましたね。「物凄く巨大な生物ってやっぱり根源的に怖いもんだな」と改めて思ったくらい。怪獣の造形も原型不明のなんだかよくわからない気色の悪い化け物といった感じで悪くなかったです。あの小さい怪物達も性質が悪くてよかった。

フィクションにおける米軍は、やっぱり今作みたいに地球防衛軍しなきゃダメですね。自衛隊じゃなくて米軍なのが重要なんですよ、個人的には。なぜか。


…え? もし本当に怪獣が出現したら? めちゃくちゃ興奮して、はしゃぎまくるに決まってるだろう!(なんだそりゃ)