カンフーハッスル

「監督! ジャンプの読み過ぎです!」と思った(笑)。バカアクションはイイし、おっさんおばはんを大暴れさせるのもイイし、最強の敵が見た目ミットモなおっさんなのもイイんだけど、ストーリーや展開がちょっと不満。主人公が最後に真の力に目覚めて敵を圧倒するなら、その前に「怒りのスーパーモード」なシーンがなかったらダメっすよ。それに敵の根城に乗り込むんだったら、仇討ちじゃなくてヒロインを助けに行くって展開じゃないと。仇討ちするならその後でしょ。あとギャグとシリアスの按配が微妙。笑わすところは笑わせて、泣かせるところは泣かせて、キメるところはしっかりキメる。少林サッカーみたいに全編これ笑いの作品ならともかく、この映画は「非道な悪党をぶっ飛ばす!」っていう勧善懲悪なカタルシスが(少なくとも俺にとっては)ベースにあるんだから、あんまりギャグで感情のベクトルを逸らされると萎える。

そのほかにも文句はちょこちょことあるんだけど、でもまぁ、こんな少年マンガ妄想そのままって感じの映画を全力で撮ってくれただけでも感謝ですな。チャウ・シンチー監督に敬礼!(涙を流しながら)