レジェンド・オブ・メキシコ

結論から言うと「サンズ(ジョニー・デップ)最高!」ってことになるのかなぁ。前作のノリを期待すると肩透かしを喰うね、これは。だから総合的に言えば不満も結構アリ。前作の「デスペラード」を高校時代から崇拝してる分、尚更。前作は恋人の仇を撃つ、という内容的にはシンプル極まるもので、あとはひたすら超絶熱血ウルトラデタラメガンアクションとアホ演出を楽しむ作品だったんですが、今作はそれに比べるとどうにも内容が煩雑(複雑ではない)で、痛快さに欠けると思う。登場人物は多いし、視点もあっちこっちと飛び回って何だか忙しい。設定からすると、前作との繋がりはない独立した話らしく、それはまぁいいんだけど…。問題なのは肝中の肝であるはずのガンアクションがいまいちなところ。前作のあの異常なほどの熱さとキレを持ったガン捌きに比べるとどうもねぇ。何か敵が吹っ飛んでばっかりで単なる火力の勝利って感じ。所々、オッと思うカットもなくはなかったんですが、全体的に観るとすごい雑。ギターマシンガンやギターロケット砲みたいなオモシロ武器もなかったし。火炎放射器とリモコン爆弾じゃショボいッスよ。ガンアクション以外のアクションは妙に気合入ってたけど、そんなんどうでもいいんじゃよ。この作品でカーアクションなんてしてどうする。それじゃあ見所はどこなんだと言うと…やっぱりサンズ。特別、これだ! っていう活躍をしたわけではないんだけど、オイシイ役どころかつ一番カッコ良かった。特に目を潰されてからはスゴイ。両目を潰されて路上にほっぽり出されるという絶望的な状況でも、「クレイジーな人生だ」の一言で職務を全うしようとする辺りはシビれた。派手なガンアクションはしてないけど、目が見えないから、少年の誘導と音を頼りにして行動しなきゃならず、そのハンデのお陰で、一番緊張感がありカッコいいアクションになってた。というわけでこれはデップの映画でした。CMでバンデラスvsデップじゃなしに、デップ×バンデラスにしていた意味がよく分かる。でもまぁ普通はバンデラスvsデップだよなぁ。そのほうが絶対盛り上がるし、映画としてもまとめやすいだろ。マリアッチと盲目のサンズの一騎打ち(もしくはマリアッチが盲目になっても可)……妄想しただけで股座がいきり立つ。早急に作り直しましょう、マジで。