今回は割と豊作でしたわん

最終巻。いろいろと言いたいことはありますが、まずはお疲れ様でした。終わり方は悪くなかったですよ、終わり方は。しかしなぁ、後半になるにつれて画的にも内容的にも「読みにくく」なっていったのは否めない。個人的には無印からマキシマム1巻目くらいの画や内容がベストだったと思ってるんですけどねー。段々と袋小路に追い詰められていった印象。3部構成くらいで、ナイブズを中心としたエピソードをがっつり投入してたら、また違ったのかもしれませんが。次回作に期待してます。

…冗長になってきたかな、さすがに。これは「長くなっていくパターン」に入ったと思っていいのかしらん。原作の他エピソードやキャラをどこまで絡ませるかによって全然違ってくるけど、出来れば藤木と伊良子の因縁のみで終わらせて欲しいな。

やっぱりこの作品は「ゆるーい学生モノ」として好きなんだと、フランス編を読んで再確認した。まぁフランス編も悪くはなかったけど…。

分かりやすい物語上の起伏がないので、いまいち読み応えがない。ですけど、個々の人間の本質を徹底的に見極める、という内容自体は面白い。「ありきたりな解釈」は通用しない、深層心理戦(のレベルすら超えつつあるが)。 

もう完全に安定した内容。少し悪く言えば全部「同じ」なんですけど、そこが良い。実写映画はいろんな意味でおそろしくて観れません。

  • ぼくらの(8)

一見、感動的な話でも、なんだかどこか不気味なモノを感じてしまう…っつーのは私が穿ち過ぎなんでしょうか。単純に、この線が細くて少し神経症的な絵柄のせいかもしれないが。

この人は「幕張」のころから芸風が変わらなくて、安心するよ(笑)。こんな人、他にいないだろうし、これから出てくることもあるまい。

珍遊記」は好きでした、はい。

ガキのころからその手の英才教育を施せば、やはりオタになるの…か? とかあまり関係ないことを考えたりした。普通に微笑ましく読みましたよ。

さすがにこのノリに慣れてきちゃいましたね。インパクトで勝負してる面が強い作品ですから、慣れれば慣れるほど面白さが減殺されていく気がしないでもない(そりゃ当たり前か)。

最後まで読んだけど、やっぱりつまんなかったなと。

えらく面白くて困る。なんだろーな、ガキのころからの刷り込みで冨樫作品には無条件で反応するよう洗脳されちゃってるんだろーな。感謝の正拳突き1万回とかたまらん(なぜ)。

俺、たぶん15見様くらい(改蔵とかはちゃんと読んでないので)。

じわじわと面白くなってきた。普通に「イタリアンマフィア(犯罪)物」として楽しめるので。

  • 未来日記(2)

前巻を読んだ限りでは、オタ好みしそうなありきたりな学園異能力バトルで落ち着くのか、と思ったんですが、この巻になって電波猟奇テイストが強まってきてイイ塩梅、といった感じでしょうか。これは化けるかもしれんなー。

  • 生活(1)

福満さんとしては初(?)の長編のストーリー物。おもしろい。ちゃんと氏のテイストを活かしつつ、テンポの良い群像劇になってる。なにより「リアリティ」を感じる(マンガはリアリティが命!)。続きが楽しみ。

  • 3月のライオン(1)

あかりさんがやばい。俺こんな人がご近所にいたらものすごいことになっちゃうぜ? 具体的に言うと、××××を丸出しにして「ぞうさんがおっきしちゃったー。にぎにぎしてー」とか言う。それで「こーら☆」とか言われる。そんで「えへへ☆」とか言う。もしくは警察に通報される。もしくは痴漢の罪で捕まる。もしくは裁判を受ける(それでもボクはやってない!)

焔燃(≒島本和彦)の学生時代を描いた話。実体験っぽい分、「吼えろペン」より面白い。やっぱりこういうのって羨ましいな…。

この「陰湿さを感じない残虐さ」がまた怖い、っていうのが岩明節だなと(ややこしいな)。

教師って楽しようと思ったらいくらでも楽できるけど、とことん生徒と向き合ってたら、死ぬほど面倒な仕事だよなぁ。今は昔とは言え、聖職だと思うよ、本当に。

  • 銀河宅配便マグロ(1)(2)

シュールとバカのバランスが好み。シュール寄りのバカというか。下ネタもご他聞に漏れず好きですよ(笑)。

これも多分、パソコン製作のマンガなんでしょうけど、もうちょっと手間隙かけて工夫したら、いまだ誰も到達していないようなイイ感じの画になりそうな気がしないでもない。画作りの点でもマンガ作るって大変なんスね。

  • 不死身探偵オルロック&プロフェッサーシャーボ

テンション芸と引用の人だってのは知ってましたが、こういう絵柄とノリなら、どちらかと言うと少年向け(コロコロとか)でギャグマンガでも描いた方が受けるんじゃねーか、と思わなくもない。

  • けんこう仮面

健康グッズうんぬんじゃなしに、「健康的な生活」を送るのが1番良いに決まってるけど、それが出来るなら苦労はないよと。相当気をつけないと30代になったら大分ヤバイ感じになりそう。

俺にとって読書は完全に娯楽及び暇つぶしですね。他の娯楽に比べてコストパフォーマンスは高めだし、「何かしらの糧にはなりそう」という根拠のない理由で楽しむことに後ろめたさが(個人的には)あまりないのが良い。現実逃避者のお薬代わりってところですか?(そんな身も蓋も無い)

  • 夕日ロマンス

ユウ姉ちゃんがすげーかわいい。こういう可愛らしいハイテンションぶりって、とてもイイ。この作者さんには、フツーの設定のラブコメでもう1作描いて欲しいな。

  • ぎぶそん

おお…! ついにゴツボさんが直球ド真ん中の青春物を描いてくれた…! で、やっぱりおもしろかった。読み終わったあと少しグッときましたよ。リリィもとってもかわいかった。やっぱりやれば出来るんじゃないッスかー。こういう路線をもっと突き詰めてほしいです、ゴツボさんには。

  • 終末のフール

あまりにベタに「感動ドラマ」し過ぎてて、まぁ「これはこういうものなんだな」と思って読むしかなかった。終末モノをやるなら、もっとこう、退廃的な匂いもほしいですね、ワタシは。

この前読んだ短編と同じく、これも楽しく読めました。1番好きな話は「バーバラ」です(笑)。

  • 革命家の午後

松本次郎短編集。この人のマンガって画面構成が総じて好み。カッコイイというか味わい深いというか、独特の雰囲気や余韻を感じさせてくれる。あとがきで「ロシア映画が好き」だと言ってて、なるほどと思った。なんかそんな感じだ、全体的に。ロシア映画って大学時代に2、3本しか観たことないけど。

  • 重機甲兵ゼノン(1)(2)

20年くらい前の作品らしいので、やっぱり読む上でこの「古さ」はキツいものがあるのは否めず。よっぽど普遍性のある作品だったり、傑作でもない限りは、時代時代の流行り廃りに飲み込まれてしまうのは、まぁしょうがないわな。

  • 精霊使い(1)〜(3)

岡崎武士さんの絵が好きで、タイトル名だけは聞いたことがあったので、試しに読んでみた。上記と同じく時代を感じさせる作りだなという印象。作品自体も未完のまま終わってるし、「マンガって難しいんだなー」と改めて思ったり。

世にも珍しい熱血ゲーム業界(クリエイター)マンガ。このシリーズはかなり気に入った。なんかね、「体育会系寄りの文系(理系)」っていう感じがいいんだよ、好きなんだよ(よくわかんねーな)。イイ年こいた大人が必死こいて、共同でモノ作りをしていく…。いいなー。ステキだなー。

十分すぎるほど面白かったんだけど、さすがに前作に比べるとクールダウンした印象はありますね。パチンコ1つでここまで盛り上げて、話を引っ張ったのは本当にすごいですけど。まぁ前作はすべての勝負が「魂の勝負」って感じだったからなー。次のシリーズからどういう展開になるのかは興味深い。

ショック療法的内容も含めて、傑作だと思います。特にフリーターくん編は良かった。本当に泣けた。というか泣いた。ここまで描いてるからこそ、「救い」にも意味がある。しかし、本当、ものすごくリアリティがありますよね、人間描写に。どうやったらここまでリアルに描けるんだろうか。恐れ入りました。



──と、いうわけで。これでしばらくはマンガも封印と。本格的にストイックモードに入ります。



あ、最後にこの感想だけ。