「若い男の子だ〜いすき☆」と絶叫しながら町内を徘徊する祖母を射殺

ただいまぁ〜……う、うう……。


(おや、オアダイ君が仕事から帰ってきたようです。午後10時をまわってますねぇ。遅くまでお仕事ごくろうさまです)


はぁ……ふぅ……、やれやれ。……さ、て、と。


(んん。なにやら服を脱ぎ始めたようです。ジャージに着替えるのかな?)



くぉぉぉ……。



(少し様子がおかしいですね。下着姿で仁王立ちしたかと思うと、独特のリズムで腹式呼吸を始めました。何をする気でしょーか? 波紋?)



…………………よし。



(目をつぶって呼吸をしばらく繰り返していましたが、どうやら終わったようです。なにやら立ち上るオーラまで見えそうな不敵な笑みです)




すいっち、おーーーん。



(ん、んん、んんんんーー〜ん? テレビの電源を点けたかと思うと、急に頭を振りはじめました! ヘッドバンギング! ヘッドバンギングです!)



ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん! ふん!



ヘッドバンギングということは、最近熱心に聴いてた例のマキシマムザホルモンとかゆーやつでしょうか? …いえ、さっき点けたテレビ画面をよく見てみると……アニメのようですが…。小さな女の子がたくさん踊っています…、こ、これは……『らき☆すた』のオープニング、『もってけ!セーラーふく』です! に、二十五歳成人男性が、萌えアニメのオープニングに合わせて一人夜中にヘッドバンギング! なぜ踊るんじゃなくてヘッドバンギングなんでしょうか! けっこう振り付けが難しくてなかなか踊れないからでしょうか?! それはともかく、これは…これはあまりにも哀しい光景です! 哀れすぎて直視できません! これぞまさに現代の悲劇! 彼は現代社会が生み出した犠牲者なのです! 救いの手が、愛の手が必要なのです! 

具体的に言うと、オタク的教養のある小柄でオッパイ大きくておめめぱっちりのお人形さんみたいな顔で髪は長めで料理上手の床上手の恋愛上手でっていうかとなりの801ちゃんのハイパー化バージョンみたいな彼女が何の理由も脈絡もなく彼に超メタ惚れしてくれれば――





パーン(銃声)。












横たわる死体の傍には、ニンマリ顔のスクールシューター。