ランド・オブ・ザ・デッド

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のような哀感はないし、「ゾンビ」のような絶望感もないし、「死霊のえじき」のような終末感もないし、「ドーン・オブ・ザ・デッド」のような疾走感もない。だが、何とも言えない「希望」みたいなものを感じましたね。最後のデッドウォーキングはなかなか感動しましたよ。さすがはロメロ御大、と言ってもいいかな。「新たなゾンビワールド」を見せくれたという印象が強いです。

まぁ、作品としては中途半端な感は否めませんけどね。「知能を持つゾンビ」というのも、あくまで端緒でしかありませんし、シチュエーション的にも燃える部分が少ない。戦闘に関しても、もっといくらでも盛り上げられたはず。ストーリー的にも「どうだろう」な部分は少なくないし。デニス・ホッパーはボスのわりに護衛少ないな、とか。あんな簡単にデッド・リコニング号盗まれてどうする、とか。おまえら油断してゾンビに噛まれすぎ、とか。それだけ重火器あったら、スタンダードなノロノロゾンビ相手なら楽勝だろ普通は、とか。もっと街の防備を万全にしておけよ、とか。

今回のゾンビはキャラクター性が強くなってるので、ちょっとしたマスコットキャラになってますよね。「いやーん、ゾンビのくせに驚いてる。かーわいい〜♥」みたいな。「口開けて花火観てる、かーわいい〜☆」的な。でも内蔵は貪り喰うのであった!

今後の方向性としては、あとはもう「地球最後の男」になるしかないんじゃねーのって感じですね。原点回帰で。もしくは「猿の惑星」か。これからゾンビ映画作る人は大変ですね。どうなっていくのかな?