宇宙戦争

僕的には大好物なのでおいしくいただけました。


全体の印象としては、トワイライトゾーンの1エピソードで済むような内容のものを、ガッチリと力を入れて作ったという感じ。あくまで主人公の周辺の状況だけを描いてますからね。大局的な部分は(意図的に)描かれていない。だから決してタイトルから連想されるような超大作映画ではないというか。派手なところは派手なんだけど、全体的には意外と渋め。そもそもこのタイトルって(原題や内容からすると)あんまりよくないよな。

ストーリーの基本ラインはけっこう原作に忠実だったかなと。前半は宇宙人の侵略で、後半は密室劇的な作りのところとか。途中で助けてくれるオッサンも、原作の副牧師と砲兵を足したようなキャラだったし。

インデペンデンス・デイみたいな、それこそ「戦争」ものを期待して観ると肩すかしを食うでしょうねえ。ああいう「最初は宇宙人にボコボコにやられて絶対絶命になりながらも、最後には知恵と勇気と運で人類大逆転大勝利!」みたいなのじゃなくて、「たった2日で人類は壊滅状態になりました。どうにもなりません。皆殺しぶっ殺し光線を撃ってきます。どうにもなりません。絶対防御シールドとか張られてます。どうにもなりません。チューチュー吸われまくり。どうにもなりません。わしゃあ地下組織を作るぞ! どうもなりません。地球生命46億年パワー! どうにかなりました」だからなあ(なんだそりゃ)。原作のサンダーチャイルドみたいなスカッとするシーンがあってもよかったかも。最後の1機撃破がその代わりなのかもしれませんけど。まー僕はどっちも勃起勃起ですよ。

あの息子が途中で飛び出していったのは、いまいち動機がわかりませんでした。家ぶっ壊されたからキレたんでしょうか。それとも母親が殺されたと思ったのかな? なんかそこら辺の描写がなかったように思うので、ちょっと「あーん?」という感じではありました。トム・クルーズの「労働人生で消耗した、子供とかにもあんまり尊敬されない、かなり冴えないオヤジ」っぷりはよかったです。娘役の子も可愛かったです。ま、私はロリコンではありませんがね(高級ソファに深く腰を沈ませ、パイプをくゆらしながら。股間は「シワかな?」と思わせる程度に勃起)。

個人的には、最初の雷が連続で落ちまくるシーンが好きです。「あんな現象が起きたら俺もビビッてテーブルの下に隠れながらも、すごい興奮しちゃうだろなー。いいなー」とか思いながら観てました。トライポッドの「ぷわーん」って鳴き声もなんかよかった。

宇宙人の造形はあんなもんでしょうね。良くもなく悪くもなく。それより宇宙船を地下に隠してたってのはどうなんだ。そんなのすぐわかるだろ。原作みたいに火星人ってわけにはいかんとしても、もうちょっと説明があってもよかったような。

そういや宇宙人って例の毒ガス兵器は使ってなかったですね。収拾つかなくなるからやめておいたのか?


俺ってシチュエーション萌え人間なんだなぁと改めて痛感。好みのシチュエーションを、テンションを落とさずに巧く描写してくれたら、ストーリーなんて二の次三の次じゃぜ! ぐらいの勢いで。